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正直な人―日中両国の相互理解に命を捧げた馬興国先生追悼―
2017-11-30 12:51  


2017年10月22日深夜、孫安石さんの知らせにより、馬興国先生が同月21日に郷里の瀋陽で逝去されたことを知った。あまりにも突然なことで、今でも信じられない気持ちである。ここで心から哀悼の意を捧げたい。

私が初めて興国先生にお会いしたのは、1978年初春の瀋陽で、日本からの学術代表団を迎えた時であった。興国先生とは二日間、共に過ごしただけだったが、大学卒業後まもない私に対し、適切なアドバイスと豊富な知識に満ちた指導を親切に与えてくださったその姿は、今日なお昨日の如く鮮明に脳裏に去来する。思えば、その後日本研究の道を歩み始めた私にとって、興国先生は郷里の先輩であるだけでなく、学問の世界における最初の先生の一人であるといっても過言ではない。私は興国先生の学問的業績を語る資格を持たないが、先生より賜った学恩は生涯忘れることができない。

私の知っている興国先生は、中国の日本研究と日中両国の相互理解という二つの分野で優れた学問的成果と大きな仕事を成し遂げた指導的な存在であり、仲間に好かれる人格者であった。

よく知られているように、興国先生は、遼寧大学日本研究所の所長時代に、転換期の中国で経済的・社会的に厳しい環境下にあった日本研究を推進し、その学術性と国際性を高めていくべきだと誰よりも早く認識し、全身全霊の力を尽くして日本中を東奔西走し、研究所の資金獲得と研究図書・資料の収集、研究者の海外派遣を進めるために懸命に努力してきた。たとえば、私が関わっていることで例をあげれば、1990年代の初め、私が事務局長だった東方学術交流協会より数名の研究員の日本短期訪問の機会を獲得し、また著名な経済学者隅谷三喜男先生から貴重なご蔵書500冊を遼寧大学日本研究所に寄付して頂いた。長年、先生が遼寧大学日本研究所の発展のためにどれほど苦労をされたのか、友人、知人の間ではよく知られている。興国先生は遼寧省留日同学会の創立後、初代会長を務められたが、同会は今でも活動を続けている。興国先生が早い時期に日本の外務大臣賞を受賞されたのは、正にこうした先生のお仕事とご業績に対する正当な評価だったと言える。興国先生が終生目指していたのは、中国の日本研究をより高いレベルに向上させることであった。それは先生の遺書の「風風雨雨幾十年、余精忠事業」という言葉に表現されるような、先生が実践してきた中国人的な職業精神であり、使命感によるものであった。

興国先生の人生におけるもう一つの大きな仕事は、遼寧大学の定年後、活動拠点を日本に移し、日中の教育・学術交流に尽力されたことである。この興国先生の第二期の活動については多くを知る立場にないが、私にとって忘れることができないのは、2011年12月に神奈川大学で開催された辛亥革命100周年国際シンポジウムの企画と実施において興国先生が果たした役割である。辛亥革命は、近代中国と近代日中関係においても記念すべき歴史的な出来事で、日本において日中共催で辛亥革命100周年記念の国際会議を開催することは、学術的にもまた社会的にも重要な意味を持つものであった。神奈川大学特任教授であった興国先生は、中国史学会・清華大学と神奈川大学と日中双方の信頼を得られており、この国際シンポジウムの企画段階から開催まで、終始裏方に徹し、万難を排して日中間の連絡の架け橋を務め、約一年間の準備を経て、延べ千人以上の参加者を得た二日間の国際シンポジウムを成功に導いたのだった。興国先生なくしては、このような日中共同で辛亥革命100年を記念する企画自体、たてられなかったであろう。この国際会議の成果として論文集『辛亥革命とアジア』(日本語版並びに中国語版)が出版されたが、それは今も我家の書架に並んでいる。それは日中学術交流に命をかけた興国先生への感謝の記念碑である。

興国先生は、温厚かつ正直な性格ながら、強い信念を有する人であった。興国先生は誠実にして生涯、純粋な内面性と高い道徳性を保ち、中国の日本研究と日中両国の相互理解を求めてその理念を実現すべく追求してきた。だからこそ、先生は生命の最後に至るまでその理念を高いレベルにおいて貫くことができたのではないかと思われる。

この小文を書き終え、興国先生がもうこの世にいないことを思うと大きな喪失感を禁じえない。寂しい限りである。


李廷江:清华大学特聘教授、清华大学日本研究中心常务副主任、日本中央大学法学系教授。1977年毕业于清华大学1979年考入中国社会科学院世界政治研究所,后转入日本研究所。1988年获东京大学哲学博士。现任日本中央大学法学部教授、清华大学特聘教授。主要研究近代中日关系史、东亚国际关系史、日本政治外交史。主要著作:《日本财界与辛亥革命》(中国社会科学出版社 1994)、《日本财界与近代中国》(御茶水书房 2003)、《近代中日关系源流》(社会科学文献出版社 2012)等。

 

 


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